人間社会にきたばかりの子犬はまだ人間社会の言葉やルールがまったくわかりません。
そのため、子犬が噛んではいけないものを噛んだときに、「噛んじゃダメ!」といっても子犬には何を言っているのかまったくわかりません。
子犬に人間社会のルールを教えていくのは飼い主さんの責任です。
この記事では子犬の噛みグセを効率的に、そして状況に合わせて直していけるように噛みグセを直す方法を5つご紹介しています。
子犬の噛みグセはとても簡単に直していくことができるのでぜひ本記事を参考にしつけをおこなってくださいね😄
子犬期に噛みグセが激しい理由
子犬にとって噛むことは社会を知るための手段であったり、歯の生え変わり時期の不快感をとる手段だったり、単に遊ぶための手段だったりといろいろな意味を持ちます。
また、その他に噛むという行為には、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」を分泌させる作用があり、精神を安定させる効果もあります。
子犬にとって噛むということは、生きていくうえで必要不可欠である、食べることや排泄すること、そして寝ることなどの次に大切なことです。
そのため、噛むこと自体をやめさせるのは、生きるために必要な手段を奪っていると同時に、犬に大きなストレスを与えることにもなります。
- 周りの環境を知るために興味のあるものは何でも噛む
- 歯の生え変わりの時期はいろいろなものを噛む
- 遊びたいたいために噛む
- 噛むことは幸せホルモン「セロトニン」を分泌させ精神的な安定をもたらす
下記の記事では、子犬の噛みグセが激しい理由や噛みグセを直すトレーニングをするために知っておきたい事項に関して詳しく解説していますので、トレーニングを開始する前にぜひご一読くださいね。
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子犬の噛みグセはいつから直すとよいの?
子犬の噛みグセを直すしつけを開始する時期は、生後10~12週が良いです。
それはこの時期になると周りの環境を探索するためにいろいろなものを噛むようになるためです。
また生後12週目になると歯の生え変わり時期となり、生え変わりのむずがゆさのため噛みグセが激しくなります。
もちろん犬によって時期に違いはあるので、子犬が噛んではいけないものを噛むようであれば、早くから噛みグセを直すしつけをおこなっていくようにしましょう。
また、子犬の噛みグセを直すしつけをおこなう前に、噛む力加減を教えるトレーニングをすることが望ましいです。
このトレーニングは、この記事でこれからお伝えする子犬の噛みグセを直すしつけをしているときに、子犬が飼い主さんを噛んでしまった時におこなうこともできます。
噛む力加減を教えるトレーニング方法やこのトレーニングがなぜ大切なのかなどに関しては下記の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。
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噛みグセを直す方法
先にお伝えしたように、子犬にとって噛むという行為は生きていくうえで必要な行為です。
たとえば、子犬が飼い主さんやまわりにあるものを噛み噛みすることは良くあることです。
これは人間にとっては困った行動ですが、犬は単に飼い主さんとコミュニケーションを取りたいだけだったり、周りにあるものを探索しているだけなのです。
それなのに噛むこと自体をいけない行為としてやめさせてしまうと犬がかわいそうですしストレスを与えてしまいます。
そのため、噛むこと自体をやめさせるのではなく、噛んでも良いもの (おもちゃなど) と悪いもの (人間や人間の物) の区別を教えていくことが大切なのです。
人間が教えない限り、犬は何が噛んで良くて何が悪いのかということは分かりません。
そのためまわりにあるものは何でも口に入れてしまいます。
そんなときもここで紹介する方法をおこなえば、噛んではいけないものを噛んだときにすぐにやめさせることができます。
そして噛んでも良いものと悪いものの区別も同時に教えていくことができます。
噛みグセを修正するためには、これからお伝えする方法を子犬が噛んではいけないものを噛もうとするたびにおこなうことが望ましいです。
トレーニング方法は5つありますので状況にあわせて使用しましょう。
トレーニング方法1 | 噛んでも良いおもちゃで気を引く
噛んでも良いおもちゃで気を引くのは一番シンプルな方法です。
犬が噛んではいけないものを噛み始めたらすぐに対応できるように、飼い主さんのポケットに常におもちゃを入れておくことが望ましいです。
あるいは、すぐにおもちゃを手にできるように家のいたる場所に準備しておくのでもよいです。
この方法を試しても、おもちゃの方に犬の気を向けることができない場合は、次の方法 (トレーニング方法2) をおこないましょう。
🧸トレーニング方法1 | 噛んでもよいおもちゃで気を引く
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1犬が噛んではいけないものを噛み始めたら、噛んでも良いおもちゃを犬の目の前で動かしたり、音を鳴らしたりして気を引きそちらを噛むようにします。
この時、今噛んでいるものを引っ張たりして動かしてはいけません。動かすと遊んでくれているのだと勘違いしてさらに噛もうとします。そのため、下記の写真のように今噛んでいるものは動かさないようにしましょう。
Example of Puppy Nipping and Biting Toy | FurLife
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2見せているおもちゃに興味を示さない場合は他のおもちゃに切り替えます。
Example of Puppy Nipping and Biting Toy | FurLife
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3噛んでも良いおもちゃを噛み始めたらほめ、そのまま2,3分くらい一緒に遊んであげましょう。
Example of Puppy Nipping and Biting Toy | FurLife
下記のような大きくて音が鳴るおもちゃは子犬の目に入りやすく気を引きやすいのでおすすめです。
長さは27cm, 45cm, 68cmの3種類あるので、ワンちゃんの大きさに合ったものを選べます。
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犬がおもちゃに反応しない場合は、次にお伝えする「トレーニング方法2 | おやつで気をひきコマンドにしたがわせる」をおこないましょう。
トレーニング方法2 | おやつで気をひきコマンドにしたがわせる
噛んで良いおもちゃを示しても反応しない場合は下記の方法をおこないましょう。
🍗トレーニング方法2 | おやつで気をひきコマンドにしたがわせる
step
1犬が噛んではいけないものを噛み始めたら、おやつを犬の鼻にかざし、犬の気をおやつに引き付けます。
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2犬の気がおやつに移ったら、おすわり・伏せなどのコマンドで犬を従わせます。
How to Train your Puppy to Stop Biting | Zak George’s Dog Training Revolution
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3コマンドにしたがったらおやつを与え、噛んでもよいおもちゃを与えます。
この方法では噛んだことでごほうびがもらえたと犬が思ってしまうのではないかと思うかもしれません。
ですが、コマンドにしたがわせておやつをあげることで、噛んだことにたいしてではなく、コマンドにしたがったことでごほうびをもらえたと犬は思うため大丈夫です。
まだコマンドトレーニングができていない場合は、この機会にコマンドトレーニングをおこないましょう。
おすわり・伏せのトレーニング方法は下記の記事で紹介していますのでご参考ください。
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参考 : How to Train your Puppy to Stop Biting | Zak George’s Dog Training Revolution
トレーニング方法3 | 徹底的に無視をする
この方法は犬の対象が飼い主さん自身や飼い主さんの身につけているもので、近くに代わりのおもちゃやおやつがない場合におこなうことができます。
ですが、先に説明したトレーニング方法1や2より少々時間がかかる方法です。
🔇トレーニング方法3 | 徹底的に無視をする
step
1犬が飼い主さんや飼い主さんの服などを噛み始めたら、動きを止め動かないようにします。あるいは犬に背を向けます。
この時、無視する代わりに、噛む力加減のトレーニングをおこなってもよいです。トレーニング方法は「子犬に噛む力加減を教えるのはなぜ大切なの? しつけ方法は?」でお伝えしていますのであわせてご参考ください。
step
2犬を見たり話しかけたりせずに、ただ無視をします。
無視をして犬が静かになったらほめて、おもちゃを取りに行き犬に与えてあげましょう。
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3犬が飼い主さんの気を引こうと、さらにジャンプしたり吠えたりしてきたら、無視を続けたままその場を去ります。
必要であれば犬が飼い主さんに触れることができないようにドアやゲートを閉めます。
ここで何らかの反応をしてしまうと、行動をエスカレートすれば飼い主さんの気を引くことができるということを教えてしまうことになるため、徹底して無視する態度を続けます。
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4この間におもちゃを取りに行きます。
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5犬のところに戻りおもちゃをさしだして一緒に遊んであげましょう。
トレーニング方法4 | 「ちょうだい (離せ)」 のトレーニングをおこなう
「ちょうだい (離せ)」は犬が口にくわえているものを出すように命令するコマンドで、アメリカでは重要なコマンドとして教えられています。
愛犬が危険なものを口に入れたり、飼い主さんの洋服やクツを噛んでも、このコマンドを教えておけばすぐに口から出させることがでます。
下記の記事では「ちょうだい (離せ)」を簡単に教える方法をご紹介しています。
飼い主さんの気苦労を減らし、愛犬の命を救うこともできるコマンドなので、ぜひ下記の記事を参考にして教えてくださいね。
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トレーニング方法5 | 大きな音をたてる
大きな音をたてて犬の気をそらす方法です。
この方法は犬にネガティブなイメージを与えてしまうことも考えられますので、できれば最終手段としましょう。
犬に噛むことに対してネガティブなイメージを与えてしまわないように、この方法をおこなったあとは、必ず噛んでも良いおもちゃを犬に与えるようにしましょう。
🥁トレーニング方法5 | 大きな音をたてる
step
1犬が噛んではいけないものを噛み始めたら、大きな音をたてて噛むことをやめさせます。
笛を鳴らしたり、貯金箱をガラガラ鳴らすなどのことを試してみましょう。大きな音をたてることで、この行動をするとイヤな思いをするというイメージを与えることができます。
step
2犬が噛むことをやめたら噛んでもよいおもちゃを犬に与えます。
犬が飼い主さんと遊びたがっているときはおもちゃを犬に与えたら一緒に遊んであげましょう。
まとめ
子犬にとって噛むことは成長の過程において必要な行為です。
何を噛んでも良いのか悪いのかがわからない子犬は、人間にとっては困るものを噛んでしまうこともあります。
そのため、大切なことは何を噛んで良くて悪いのかを教えることにあります。
トレーニングの結果がすぐに見えなくても焦らずに辛抱強く教えていくことが大切です。
トレーニング自体は簡単におこなうことができるものばかりなのでぜひ気楽な気持ちで続けてください。
本記事を参考にして、状況にあわせたトレーニング方法で少しずつしつけをおこなっていきましょう。
参考 : Dog Trainer Tips: Puppy Nipping and Biting | Preventive Vet