ノウハウ

CBDオイルとは? 効果・安全性・選ぶさいのポイント・服用量などCBDオイルの疑問を全部解決します!

CBDは大麻草に含まれているカンナビノイドです。

大麻草に含まれているカンナビノイドでは強い精神作用を引き起こすTHCが有名ですが、CBDはTHCのような精神作用を引き起こすことはありません。

アメリカで大麻草に対する規制が軽減されたことにより、大麻草に含まれる成分に関しての研究が多くおこなわれるようになり、現在その薬としての有効性に大きな注目が集まっています。

この記事では、CBDとは何かということから、効能やCBD商品を選ぶさいのポイント等をお伝えいたします。

1. CBDとは?

CBD (カンナビジオール) は大麻草から抽出される毒性のない成分 (カンナビノイド) です。

大麻というと麻薬というイメージがあります。

ですが、大麻草で強い精神作用を引き起こすのはTHC (テトラヒドロカンナビジオール) という成分です。

CBDもTHCと同様に同じ大麻草から抽出される成分ですが、THCのような精神作用を引き起こすことはなく、人体に害はありません。

CBDはこれまでの研究や事例から下記のような作用があることが示されています。

CBDの効能

  • 抗不安作用
  • 抗うつ作用
  • 抗炎症作用
  • 鎮痛作用 (痛みの軽減)
  • 抗ガン作用
  • 抗酸化作用
  • アンチエイジング

2. カンナビノイドとは?

カンナビノイドとは大麻草に含まれる生理活性物質です。

生理活性物質とは生物の生命活動において、ごくわずかな量で生物の機能を調整する化学物質です。

生理活性物質は細胞間の情報伝達に重要な役割を果たしていて、ステロイドのようなホルモンや、セロトニンなどの神経伝達物質などがあります。

この大麻草に含まれる生理活性物質を総称してカンナビノイドと呼びます。

大麻草のカンナビノイドではTHCとCBD がよく知られていますが、大麻草には100種類以上のカンナビノイドが含まれています。

現在わかっている範囲では、大麻草に含まれるカンナビノイドで強い精神作用を引き起こすのはTHCだけだといわれています。

3. CBDは安全なの?

CBDはTHCのような精神作用を引き起こすことはなく安全に使用できます。

WHO (世界保健機関) は、CBDは乱用や依存の可能性はなく安全に使用できると述べています。

そして、今日までCBDの使用に関連した健康被害の報告はないと述べています。

CBDを摂取して通常起こりうる副作用は、眠気などのマイルドなものです。

そのためCBD商品は中毒症状や副作用等の心配をすることなく安全に使用することができます。

薬を服用している場合は注意しよう

CBDの副作用は比較的マイルドなものがほとんどですが、他の薬を摂取している時は注意が必要です。

FDA (アメリカ食品医薬品局) は、CBDと他の薬を一緒に服用すると肝臓へダメージを与える可能性がある、と述べています。

CBDには体内で薬を代謝させる酵素 (シトクロムP450) の働きを抑制する作用があるといわれています。

そのため、もし服用している薬がこの酵素により代謝されることで効き目を発揮する場合は、CBDはその薬の効き目を低下させる可能性があります。

そしてもしその薬の安全性が、その酵素により一定の時間内で代謝され解毒されることを想定しているとすると、時間内で代謝することができずに、体内で薬の毒性を高めてしまう可能性があります。

そのため、薬を服用している場合はCBDの服用に注意が必要です。

4. ヘンプと大麻草の違いとは?

合法のCBDは大麻草ではなくヘンプから抽出されます。

ヘンプは大麻草の標準品種であるカンナビス・サティバの1種です。

大麻草には標準品種が下記の3種類あります。

大麻草の標準品種

  • カンナビス・サティバ (Cannabis sativa)
  • カンナビス・インディカ (Cannabis indica)
  • カンナビス・ルデラリス (Cannabis ruderalis)

アメリカでは2018年の農業法で、大麻草の乾燥重量において、THCの含有量が0.3%未満のカンナビス・サティバをヘンプとして認め、完全に合法化しました。

つまり、THCが0.3%未満の大麻草がヘンプと呼ばれます。そしてヘンプは合法です。

ヘンプは他の大麻草より多くのCBDを含有していて、通常18%以上のCBDを含有しています。

そして、ほかの大麻草はヘンプより多くのTHCを含有しています。

5. CBD商品の選ぶさいのポイント

CBD商品を選ぶときに、ブロードスペクトラムやアントラージュ効果など、普段あまり聞きなれない単語を目にします。

これらの単語を理解することは正しいCBD商品を選ぶのに役立ちます。

そこでここでは正しいCBD商品を選べるように、CBD商品を選ぶさいのポイントをお伝えいたします。

ポイント1 | CBDオイルとヘンプシードオイルを見分けよう

CBDはヘンプから抽出されますが、ヘンプシードオイルとは効能がまったく違います。

ヘンプシードオイルは大麻草の種から抽出される油です。

ヘンプの種から抽出されるのでCBDを含んでいるような感じがしますが、残念なことにヘンプシードオイルにはCBDは含まれていません。

THCやCBDなどのカンナビノイドは大麻草が太陽光や二酸化炭素そして水を利用し、光合成をおこないながら成長する過程で合成されます。

そのため、まだ種の時点で抽出されるヘンプシードオイルにはカンナビノイドは含まれていません。

ヘンプシードオイルはヘンプオイルともいわれます。

CBDオイルと混同しやすいため、購入時は間違わないようにしましょう。

ヘンプシードオイルの効能

ヘンプシードオイルにはCBDなどのカンナビノイドは含まれていませんが、健康に良い栄養素が豊富に含まれています。

良質な脂肪酸であるオメガ3 & 6やガンマリノレン酸、ビタミン類、ミネラル、必須アミノ酸、そして食物繊維などが豊富に含まれています。

ヘンプシードオイルはコクのあるナッツのような味なのでサラダなどにかけて食べることもできますし、オリーブオイルのように料理油として使用することもできます。

また、保湿効果も高いため顔や手に塗り保湿オイルとして使用することもできます。

ポイント2 | CBDオイルの種類を見分けよう

CBDオイルは含まれているカンナビノイドにより下記の3種類に分けられています。

  1. フルスペクトラム
  2. ブロードスペクトラム
  3. アイソレート

フルスペクトラム

フルスペクトラムのCBD製品にはCBDのほかに、CBN、CBC、CBGなどの多くのカンナビノイドとテルペンが含まれています。

そして、0.3%未満のTHCも含まれています。

フルスペクトラムのCBD製品は数種類のカンナビノイドが含まれているので、アントラージュ効果による高い効果が期待できます。

ですが日本ではTHCが含有されている製品は許可されていないため、日本でフルスペクトラムを見ることはありません。

ブロードスペクトラム

ブロードスペクトラムのCBDも、フルスペクトラムCBDのように、CBN、CBC、CBGなど多くのカンナビノイドとテルペンが含まれています。

フルスペクトラムと違うのは、ブロードスペクトラムはTHCが含有されていないという点です。

THCが含有されていないので日本でも販売が許可されています。

ブロードスペクトラムのCBD製品も数種類のカンナビノイドが含まれているので、アントラージュ効果による高い効果が期待できます。

アイソレート

アイソレートのCBD製品はCBDだけを含み、他のカンナビノイドを含んでいません。

CBDを試すのが初めての場合や、CBDだけで十分な効き目があるかを試すときなどに利用できます。

CBDオイルのアントラージュ効果とは?

CBDオイルに含まれている他のカンナビノイドの量はごくわずかですが、それぞれがサポートし合い相乗効果 (お互いの効果を高める) を発揮します。

そのためCBDオイルはCBDだけを摂取するよりも、他のカンナビノイドが含まれているものを摂取することで高い効果がのぞめます。

さらにカンナビノイドは相乗効果を発揮するだけでなく、個々が持つマイナス作用を消し去る効果も持っています。

CBDオイルでのこのような効果をアントラージュ効果と呼びます。

テルペンとは?

テルペンとは多くの植物やハーブに含まれるよい香りがする成分です。

オレンジの皮やラベンダー、松の木など、植物は特有の香りを有していますが、これはテルペンの組み合わせによって生じています。

テルペンは香りとしての機能だけでなく、さまざまな機能を持っていて、植物においてとても重要な役割をはたしています。

花粉を運ぶ虫を引き付けたり、反対に実を食べる虫を遠ざけたり、植物の修復を助けたり、感染菌を遠ざけたりするテルペンもあります。

植物にとって多種の作用を持つテルペンは人間の身体にも作用します。

たとえば、松の木などに含まれるピネンというテルペンは、新鮮な澄んだ香りがします。

森林浴は新鮮な空気や木々のにおいで心だけでなく体もリフレッシュさせてくれますね。

森林浴ではピネンが気管支拡張剤のような作用をもたらし、新鮮な空気をさらに肺に送りこむことができるといわれています。

また、植物から抽出した精油 (エッセンシャルオイル) でリラックス効果を得るアロマセラピーも、テルペンが人間に作用を与える代表的な例です。

CBD製品はCBDだけのものよりも、テルペンや他のカンナビノイドが含まれているものを摂取することで、アントラージュ効果を発揮してより高い効果を得られることが期待できます。

ポイント3 | 成分分析表をチェックしよう

CBD商品を購入するときは、メーカーが成分分析表 (certificate of analysis) を提示しているか確認するようにしましょう。

成分分析表はメーカー独自がテストしたものではなく、信頼のおける第三者機関によりテストされ発行されたもののほうが確実です。

成分分析表はCBD商品に含まれているカンナビノイドの種類と量を示した証明書です。

その他に、残留農薬重金属残留溶媒に関しても証明書を提示しているかも確認しましょう。

なぜならヘンプはスポンジのように吸収性が高いため、農薬を使用していたり、土壌に汚染物質が含まれていたりすると簡単に汚染物質を吸収してしまうからです。

そのため海外の信頼のあるメーカーでは、そのCBD商品が使用したヘンプに含まれるカンナビノイドの種類と量、残留農薬、重金属、そして残留溶媒の証明書が見れるウェブページを提供しています。

日本で販売しているCBD商品では、まだそのようなウェブページを提供しているところはないようです。

そのため、少なくても商品説明と一緒に成分分析表を提示しているかどうかを確認するようにしましょう。

ポイント4 | CBD商品に含まれる他のカンナビノイドもチェックしてみよう

大麻草には100種類以上のカンナビノイドが含まれています。

そしてそれぞれが異なる作用を持っています。

CBD商品に含まれているCBD以外のカンナビノイドには下記のようなものがあります。

大麻草に含まれる代表的なカンナビノイド

  1. CBG (カンナビゲロール / Cannabigerol)
  2. CBN (カンナビノール / Cannabinol)
  3. CBC (カンナビクロメン / Cannabichromene)
  4. CBDV (カンナビディバリン / Cannabidivarin)

CBGとは?

CBG (カンナビゲロール / Cannabigerol) は「mother of all cannabinoids (すべてのカンナビノイドの母)」、とも言われています。

なぜなら他のカンナビノイドはすべてカンナビゲロール酸 (CBGA) から合成されるためです。

CBGAはCBGの酸性型です。

CBGAからCBDとTHCに変換される速度はCBGに変換される速度より早いため、CBGに変換するためのCBGAはほとんど残りません。

そのためCBGが大麻草に含まれている割合は通常1% 以下です。

CBGはCB1・CB2受容体の両方に結合することが研究により示唆されています。

ですが、THCのように精神作用を引き起こすことはなく安全に使用できます。

むしろCBGはCB1受容体に結合することでTHCの効力を弱めるといわれています。

そしてCBGはCB1・CB2受容体の両方に結合するため、直接的な結果を生み出せる可能性が示唆されています。

CBGを摂取している人を対象におこなったオンライン調査では、うつ病、不安症、不眠症、慢性痛において、CBGは従来の薬よりも効き目があったと回答しています。

CBGが従来の薬よりも効き目があったと回答した人の割合

うつ病: 80%
不安症: 78.3%
不眠症: 73%
慢性痛: 73.9%

これまでの研究でCBGには下記のような作用があることが示唆されています。

CBGの作用

  • 抗不安作用
  • 鎮痛作用
  • 抗ガン作用
  • 抗菌作用
  • 食欲増進作用

参考: What is CBG: Benefits, Effects, and More | cbdMD
参考: What Is Cannabigerol (CBG)? | Verywell Mind
参考: Survey of Patients Employing Cannabigerol-Predominant Cannabis Preparations: Perceived Medical Effects, Adverse Events, and Withdrawal Symptoms

CBNとは?

CBN (カンナビノール / Cannabinol) は新鮮な大麻草にはほんの少しの量しか含まれていません。

しかし大麻草が古くなったり、熱や光により酸化してくると、大麻草に含まれているTHCは徐々に分解しCBNに変形します。

CBNはTHCが分解されて合成されるカンナビノイドですが、THCのような強い精神作用を引き起こすことはありません。

THCはCB1・CB2受容体に直接結合することで強い精神作用を引き起こしますが、CBNはCB1・CB2受容体に直接結合するのではなく、間接的に結合します。

これまでの前臨床試験 (動物実験) によりCBDとCBNは鎮痛作用があることが示されています。

そして、CBDとCBNを一緒に摂取することで、鎮痛作用が高まることも示されています。

また、CBNには心を穏やかにする作用 (鎮静作用) があり、不眠や心の不安を和らげる効果も示唆されています。

その他に、抗炎症作用抗菌作用があることも示唆されています。

CBNはこれまでの研究で下記のような作用があることが示唆されています。

CBNの作用

  • 鎮痛作用
  • 鎮静作用
  • 抗炎症作用
  • 抗菌作用

参考: What is the difference between CBD and CBN?
参考: CBD vs. CBN: What’s The Difference?

CBCとは?

CBC (カンナビクロメン / Cannabichromene) はこれまでの研究により、抗炎症作用があることが示されています。

CBCは炎症や痛みと関係するカプサイシン受容体といわれる TRPV1受容体や、わさび受容体といわれるTRPA1受容体に結合することがわかっています。

CBCがこれらの受容体に結合することで、炎症や痛みを和らげる効果を発揮することが示唆されています。

CBCはがんに対しても高い効果を発揮することが示されています。

ある研究では、CBCとCBGが特に抗がん作用が高いことが示されています。

特にCBCの効果はTHCに次いで、カンナビノイドの中で2番目に高いという結果も示されています。

また、CBCは脳細胞の増加を促進する作用があることも研究により示唆されています。

CBCはこれまでの研究で下記のような作用があることが示唆されています。

CBCの作用

  • 抗炎症作用
  • 鎮痛作用
  • 抗がん作用
  • 脳細胞の増加

参考: What is Cannabichromene (CBC)? Everything You Need to Know | leafwell

CBDVとは?

CBDV (カンナビディバリン / Cannabidivarin)はCBDと化学構造がほんの少し違うだけです。

そのためCBDと共通の利点が多くありますが、CBDとは違う特性も備えています。

CBDVは特に脳の障害への作用が研究により示されていて、抗けいれん作用や自閉症スペクトラムの予防などに効果があることが示されています。

CBDVはこれまでの研究で下記の症状に効果があることが示唆されています。

CBDVの作用

  • 抗けいれん作用
  • 自閉症スペクトラムの予防
  • 吐き気の予防

参考: CBDV (Cannabidivarin) What Is It, Uses & Benefits

6. 服用量はどれくらい?

CBDの服用量に関して、現在のところ一致した意見はありません。

CBDは年齢や性別、そして個々が抱える症状により必要な服用量が異なることも示唆されています。

生物は本来体内でカンナビノイドを生成できます。

しかし、加齢やストレスにより減少するといわれています。

そのため、特に気になる症状がなく、健康である場合はCBDを摂取する必要はないかもしれません。

ですが、CBDのもつ抗不安作用や抗炎症作用などを試したい場合は、自分で摂取しながら合う量を探していく必要があります。

これまでの研究で使用された服用量は?

自分に合う服用量を探す必要があるといっても、初めから手探り状態では困ってしまいますよね。

そこで、これまでの研究で使用された服用量などを参考にしてみると良いと思います。

これまでCBDはさまざま症状に対して効果を調べる研究がおこなわれています。

CBDの臨床試験 (人に対しておこなう試験) では、1日あたり100 mg ~ 800 mg を通常服用している、とWHO (世界保健機関) は述べています。

これまでの研究で使用されたCBDの服用量は下記のようになっています。

研究でのCBDの服用量

  • 眠りの改善: 25mg
  • 不安障害: 300 ~ 600 mg
  • がん関連の痛み: 50 ~ 600 mg

FDAが許可している服用量は?

CBDが唯一FDAから認証を受けている薬に、難治性てんかん治療薬の「エピディオレックス (Epidiolex)」があります。

エピディオレックスの服用は、体重1 kg あたり5mg、1日1回の服用から始めます。

この服用量は、体重1 kg あたり5mg、1日2回へ増加することができます。

最初は少ない量から始めよう

CBDを初めて摂取する場合は、少ない量から摂取を始め、様子をみながら増やしていくことがおすすめです。

最初は10 ~ 20 mg の服用量を1週間ほど続けて、吐き気などの副作用がないかを確かめることから始めましょう。

そして目立った副作用がなければ1週間に5 mg ずつ増やしていきます。

そのようにしながら自分の望む量、あるいは自分が一番望む結果が得られる量まで、様子をみながら増やしていくようにしましょう。

参考: What Dosage of CBD Should You Take? | verywellmind

7. まとめ

今回はCBDに関してお伝えいたしました。

CBDの効果に関してはまだ研究段階で、難治性てんかん治療薬のエピディオレックス以外は、薬としての使用には至っていません。

それでもアメリカでは医師の勧めにより、60% 以上の人たちが使用したことがあるという結果がでています。

日本でもオイルやグミなどで手軽に入手できるので、睡眠の質をあげたいとか、ストレスを減らしたいなど、気になる症状があるときに摂取してみるのも良いかもしれません。

その場合は、ここでご説明した購入する際のポイントを参考にして選ぶようにしましょう。

下記の記事ではエンドカンナビノイドシステムに関して解説しています。

この記事を読めばカンナビノイドがなぜ多くの効能をもたらすことができるのかを知ることができるので、合わせてご参考ください。

こちらもCHECK

エンドカンナビノイド (内因性カンナビノイド) システム・ カンナビノイド受容体とは? 効能は? わかりやすく解説

エンドカンナビノイドシステムは1990年代初頭、大麻草に含まれるカンナビノイドの1種であるTHCを研究している研究家たちにより明らかにされました。 それ以降、多くの研究家がエンドカンナビノイドシステム ...

続きを見る

Advertisements

-ノウハウ