「ちょうだい (離せ)」 は犬が口にくわえているものを離すように命令するコマンドです。
犬が危険なものを口の中に入れてしまった時でも、このコマンドを教えておくとすぐに出させることができます。
犬の命を救うのはもちろんのこと、飼い主さんの心配ごとを減らすことができるコマンドです。
この記事ではペット先進国アメリカで教えられている方法をもちいて、「ちょうだい (離せ)」を簡単に教える方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね😀
「ちょうだい (離せ)」を教えるメリット
冒頭でもお伝えしたように、「ちょうだい (離せ)」 を教えておくと犬が危険なものを口の中に入れた時に、コマンドをいうだけで口の中から出させることができます。
例えば、チョコレートやコードなど危険なものを口に入れてしまっても、すぐに出させることができるのであわてることなく冷静に対応することができます。
その他にも、ワンちゃんが飼い主さんの衣類やスリッパなど噛んでは困るものを噛んでしまった時もコマンドだけですぐに口から出させることができます。
逆にコマンドを教えていないと、犬の口から出そうとして、犬と引っ張りこをしたり追いかけっこをしたりすることになってしまいます。
飼い主さんがむきになって犬の口から出そうとすればするほど、犬は遊んでもらっているのだと思い、犬の方も口の中の物を出すまいとしてやっきになってしまうのです。
そしてこのような行動は口の中に入れているものを誤飲してしまう可能性も高めてしまいます。
また、犬の口を無理に開けようとして飼い主さんが噛まれてしまうこともあります。
人間からすれば犬のためを思って口の中から出そうとしている行動が、犬にとって逆効果となるだけではなく、飼い主さんも危険にさらすことになります。
そんなとき、「ちょうだい (離せ)」を教えておけば、なんのトラブルもなく、すぐに犬の口から取り上げることができるようになります。
非常に役立つコマンドなのはもちろんのこと、愛犬の命を救うこともできるコマンドなのでぜひ教えておきましょう。
🤩「ちょうだい (離せ)」を教えていると
- 犬が危険なものを口に入れもすぐに出させることができる
- 飼い主さんの気苦労を大幅に減らす
- 愛犬の命を守る
😱「ちょうだい (離せ)」を教えていないと
- くわえているものを出すために引っ張りっこや追いかけっこをすることになる
- 犬の口を無理に開けようとして噛まれる危険性がある
- 犬が誤飲して命を危険にさらす危険性がある
「ちょうだい (離せ)」 を教える前の準備
「ちょうだい (離せ)」のトレーニングをおこなう前に準備すべき事項に関してお伝えいたします。
準備1 | コマンドを決める
1.「ちょうだい (離せ)」のコマンドを決める
コマンドは「ちょうだい」・「離せ」・「ドロップ」・「アウト」などがあります。
英語では、「drop it」や「out」といいます。
2. おもちゃを噛むようにさそうコマンドを決める
このトレーニングでは、犬におもちゃを噛むようにさそうコマンドも必要です。
英語では「get it」といいます。
犬にものをつかませるコマンドなので、「つかめ」・「ゲット」・「ほらほら」など飼い主さんがいいやすいコマンドを決めましょう。
コマンドを決めるさいの注意事項
コマンドを決めるときは、他に似たようなコマンドがないかを確認しましょう。
ハンガリーのエドベシュローランド大学の研究により、犬は全く違う意味の単語の音なら理解できるようですが、1文字違いの単語の音は理解できない可能性が高いとの研究結果が発表されています。(ですが、同研究により人間の声色から喜怒哀楽を読み取る能力があることが分かってきています。)
そのため、「出せ」だと、「ダメ」に似ているため犬は困惑してしまう可能性が高くなります。
犬にコマンドを理解させやすくするために、できるだけ他と似ていないコマンドを選ぶようにしましょう。
また、決めたコマンドは同じものを使用しなければ、犬は混乱してしまうため、家族全員が同じコマンドを使用するようにします。
「出せ」と「ダメ」は似ているから僕は少し混乱してしまうんだ。
参考:Dogs may never learn that every sound of a word matters | EurekAlert!
準備2 | 噛むおもちゃとおやつを用意する
トレーニング方法1では、噛むおもちゃ1つとおやつを用意します。
このトレーニングでは、おもちゃよりおやつの方に興味を持つ必要があります。
そのためおやつは犬の大好物を用意しましょう。
トレーニング方法2では、噛むおもちゃ2つを用意します。
犬を飽きさせないために使用するおもちゃは違うものを用意しますが、興味は同程度に示すものでなければなりません。
おもちゃは犬が興味を示すものであればなんでもよいですが、ロープおもちゃのような引っ張りこができるものがおすすめです。
おやつは下記のように小粒状のものや、小分けにできるように手で切れやすいものがおすすめです。
「ちょうだい (離せ)」 のトレーニング方法
トレーニングでは噛むのをやめて口から出すのは実は楽しいことだというイメージを犬に与えるようにします。
「ちょうだい (離せ)」 のトレーニング方法1 | おやつを使用
おもちゃ1つとおやつを使用してトレーニングをおこないます。
おやつよりおもちゃの方に興味を持つような場合は、次に紹介する「ちょうだい (離せ) のトレーニング方2 | おもちゃ2つ使用」のトレーニングをおこないましょう。
🍖おやつ使用して「ちょうだい (離せ)」をトレーニングする方法
step
1おもちゃを動かし、「ほらほら」などのおもちゃを噛むようにさそう言葉をいいながら犬の興味をひきます。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
2犬がおもちゃを噛んだら、おもちゃを引っ張るなどして10秒ほど一緒に遊びます。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
3おもちゃを体のわきへ引き寄せて動かすのをやめ、コマンド (ちょうだいなど) をいいます。
おもちゃを動かすのをやめることにより、ただおもちゃを噛んでいても楽しくないと思うようにします。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
4コマンド後、すぐに犬の鼻におやつをかざします。
おもちゃで興奮して遊んでる場合はおやつに気づかない場合があります。その時はおやつに気づくように、おやつを犬の眼や鼻の前で小刻みに動かしてみましょう。
step
5犬がおもちゃを口から離したらほめ、おやつを与えます。
おやつは手に持っているものだけでなく、あらたに数個あげても良いです。
そうすることで、口にくわえているのを離すのは正しい行為だということを犬に強調して理解させることができます。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
おやつを与えているときに犬の興味がおもちゃに向かないように、おもちゃは体の後ろに隠したり、わきに引き寄せたまま動かさないようにします。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
6Step 1~5を繰り返しおこないます。
1回のセッションで少なくとも10回繰り返しましょう。ですが、あまり長くおこなうと犬が飽きてしまうので飽きる前に切り上げるようにします。
最初のうちは、飼い主さんがコマンド (ちょうだいなど) をいうとおやつ (もっと楽しいこと) が出てくる → だからおもちゃを離そうというイメージを与えることが必要です。
「ちょうだい (離せ)」のトレーニング方法2 | おもちゃを2つ使用
おやつにあまり興味を示さない場合は、おもちゃを2つ使用してトレーニングすることもできます。
また、おやつを使用したトレーニング方法1でコマンド (ドロップなど) に少し慣れてきたあとに、こちらの方法に切りかえることにより、おやつを使用しないでトレーニングすることができます。
このトレーニングではコマンド (ドロップなど) で別の楽しいおもちゃがあらわれるから、今噛んでいるおもちゃを離そうと犬が思うようにトレーニングします。
🧸おもちゃ2つ使用して「ちょうだい (離せ)」をトレーニングする方法
step
1両手におもちゃを持ちます。
step
2片方のおもちゃを動かし、「ほらほら」などおもちゃを噛むようにさそう言葉をいいながら犬の興味をひきます。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
3犬がおもちゃを噛んだら、おもちゃを引っ張るなどして10秒ほど一緒に遊びます。
step
4おもちゃを体のわきへ引き寄せて動かすのをやめ、コマンド (ちょうだいなど) をいいます。
おもちゃを動かすのをやめることにより、ただおもちゃを噛んでいても楽しくないと思うようにします。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
5コマンド後すぐにもう片方のおもちゃを犬の視界に入るように動かしながら犬の興味をひきそちらを噛むようにします。
少し待っても動かしているおもちゃに興味を示さない場合は、おもちゃを犬に近づけて動かしてみましょう。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
6犬が噛んでいるおもちゃを離して、もう片方のおもちゃに向かったら大いにほめます。
離した方のおもちゃは体の後ろに隠したり、わきに引き寄せたまま動かさないようにします。
The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training
step
7そのままおもちゃを引っ張るなどして10秒ほど一緒に遊びます。
step
8Step 4~8を繰り返しおこないます。
1回のセッションで少なくとも10回繰り返しましょう。ですが、あまり長くおこなうと犬が飽きてしまうので飽きる前に切り上げるようにします。
「ちょうだい (離せ)」のトレーニング方法1 と 2 を動画で見てみよう
今回説明したトレーニング方法 1 と 2 は、下記の動画で見ることができます。
英語ですが日本語への自動翻訳機能も利用できるようになっています。
少し変な日本語になっていますが、上記で説明したトレーニング方法1 と 2を読んだ後に見るとわかりやすいと思います。
動画を見ればイメージをつかむことができるのでぜひご参考ください。
各トレーニング方法は下記の時間から説明しています。
- トレーニング方法1:4:00~
- トレーニング方法2:7:30~
自動翻訳の設定方法
左下の「見るYouTube」をクリック→YouTubeの画面に行くと画面右下に設定 (歯車マーク) が表示される→設定 (歯車マーク) をクリック→「字幕」を選択→自動翻訳を選択→一番下までスクロールして「日本語」を選択
まとめ
このトレーニングをおこなうことにより、犬はコマンドだけで口の中のものを出すようになります。
飼い主さんの心配ごとや気苦労を減らし、愛犬の命も救うコマンドにもなるので、ぜひトレーニングをおこなってくださいね😀
参考 : How to Teach Your Dog to Drop It | American Kennel Club
参考 : The BIG Mistake People Make When Teaching A Dog To Drop Something | McCann Dog Training