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犬に鹿の角を与えるメリット・デメリット・下痢の原因・やわらかくする方法

鹿の角はとても硬いため、噛む力がとても強い犬でも長持ちします。

また、鹿の角はタンパク質が豊富で特に内側の髄液には栄養素が豊富に含まれています。

そして、素材は自然のものなので噛んでも安心です。

ですが、とても硬いために犬の歯を損傷させる恐れもあります。

ここでは、鹿の角のメリット・デメリット、与える場合の注意事項、そしてやわらかくする方法などに関して詳しくご説明いたします。

鹿の角メリット

メリット1 | 栄養素が豊富に含まれている

鹿の角は頭蓋骨が成長したようなもので、骨と軟骨からなり中心に髄があります。

鹿の角は骨なので主な成分はカルシウムとリン、そしてタンパク質です。

カルシウムとリンは主に骨の材料になります。

そしてタンパク質は骨や筋肉、赤血球・白血球や消化酵素など身体を構成するさまざまなものの材料となります。

鹿の角にはその他に、亜鉛・鉄・マグネシウム・カリウムなどのビタミン類も豊富に含まれています。

特に内側にあるには多くの栄養素が含まれていて味もよいです。

また、鹿の角は脂肪分も少なくヘルシーなので、おやつとして与えても安心です。

参考: Are Antlers Safe for Dogs to Chew? | Best Bully Sticks

鹿の角の髄は外側より消化がよく味もよい

鹿の角の外側は骨なので非常に硬く体内での消化も良くありません。また味もあまりよくありません。

一方、内側の髄は外側よりやわらく、体内での消化も良いです。

そして栄養素が多く含まれているので味がよく犬が好む傾向にあります。

メリット2 | 歯みがき効果

鹿の角にはメリットとデメリットがあります。ここでは最初にメリットからお伝えいたします。

おもちゃを噛むと歯とおもちゃの間に摩擦がうまれます。そしてこの摩擦効果が歯垢や歯石を取るのに役立ちます。

毎日の歯みがきほどの効果があるわけではありませんが、おもちゃを噛むことは歯の健康を保つのにとても役立ちます。

メリット3 | 素材が自然のものなので安心

鹿の角は素材が自然のものなので安心です。

販売されるまでの工程も単純に洗浄、乾燥そして切断という工程のみで処理され、添加物や保存剤は一切使用されていません。

そのため、噛んだりなめたりはもちろんのこと、食べても安心です。

食べても安心だが破片には注意しよう

鹿の角は食べても安全ですが、破片を食べてしまうと消化管を傷つける恐れがあり危険です。

そのため、鹿の角を与えている時は破片を出していないかに注意をし、あまりに熱心になって噛んでいるときは取り上げるようにしましょう。

メリット4 | 臭いがなく清潔

犬の噛むおもちゃとして販売されている鹿の角は通常きちんと洗浄されているので臭いはほとんどありません。

また、削りカスがでることもほとんどないため、部屋が汚れることがありません。

ですが、犬が噛んで犬の唾液がつくことにより少し臭いがでるようになることもあります。

メリット5 | 環境にやさしい

犬の噛むおもちゃとして使用される鹿の角は、国内の山間部で個体数が増え過ぎたために駆除されたものが使用されています。

駆除されてしまうというのはかわいそうですね😢

ですが、農作物への被害が深刻化しているためそのままにしておくこともできないようです。

これまで駆除された鹿は使い道もなく破棄されていましたが、有効活用の方法の1つとして犬の噛むおもちゃに利用されています。

そのため、人工のおもちゃよりも環境にやさしいです。

参考 : 鹿角のドッグガムができるまで | Forema-フォレマ

鹿の角デメリット

鹿の角にはたくさんのメリットがあるので、犬の噛むおもちゃに最適のように思うかもしれません。

ですが、気をつけなくてはならないデメリットもあります。

デメリット1 | 口や歯を損傷させる恐れがある

鹿の角の外側は非常に硬いため、激しく噛むと口を傷つけたり、歯が欠けたりする恐れがあります。

そのため、鹿の角を噛ませているときは、常に監視をし、あまりにも熱心になって噛んでいるときは取り上げるようにしましょう。

これは、他の硬いおもちゃ (プラスチック製のおもちゃやひづめなど) にもいえることなので鹿の角に限らずに注意しましょう。

デメリット2 | 破片がでると危険

鹿の角の外側は骨のように非常に硬いため、噛んだり砕いたりして破片がでると危険です。

非常に硬いため、体内で簡単に消化するができません。

そのため、破片を飲み込んでしまった場合、消化管を傷つける恐れがあります。

また、消化管などをふさいでしまい消化管閉塞などを起こす恐れもあります。

その他にも、砕けた破片が顔や口を傷つける恐れがあります。

そのため、鹿の角を与えているときは、噛んだり砕いたりして破片を出していないか注意をし、あまりにも熱心になって噛んでいたら取り上げる必要があります。

鹿の角を与えるさいの注意事項

上記でお伝えした鹿の角のデメリットを軽減するために、ここでは犬に鹿の角を与えるさいの注意事項に関してお伝えします。

注意事項1 | 適切なサイズを与える

鹿の角を与えるときはサイズにも気をつけるようにしましょう。

特に小型犬に大きなサイズを与えないようにする必要があります。

小型犬が硬くて大きな角を一生懸命に口にくわえて噛み続けると、アゴや関節を傷める原因になります。

また、大型犬に小さすぎるサイズを与えると、丸のみしてしまう可能性があります。

両手に挟んで持って噛めるサイズが適切

犬は鹿の角を両手で挟んで持って噛むと噛みやすいです。

短かったり長かったりすると、両手に持って挟んで噛みことができない場合もあります。そうすると犬にとっては噛みにくくなります。

特に、まだ鹿の角に慣れていない犬の場合は興味を持たせるために長さにも注意するとよいです。

目安としては、小型犬は約10cm、中型犬は約15cm、大型犬は15cm以上のものを選ぶとよいでしょう。

注意事項2 | 子犬や老犬には与えない

アメリカでは歯科を専門とする獣医師がいますが、そのほとんどは子犬と老犬に硬いものを噛ませないよう提案しています。

子犬の乳歯は鋭いですが強くはありません。そのため、力加減がわからずに強く噛んでしまい、歯を損傷させる可能性があります。

そのため永久歯への生え変わりが完了する生後6ヶ月~8ヶ月までは、硬いおもちゃは与えずにパピー用ややわらかいおもちゃを与るようにしましょう。

注意事項3 | 1日20分以内にする

硬いおもちゃを与えるさいは遊ばせる時間を1日20分以内に抑えるようにしましょう。

あまり長く与えてしまうと歯を損傷させるなどのリスクが高まります。

注意事項4 | 常に監視をする

鹿の角を与えているときは常に監視をする必要があります。

あまりにも熱心になって噛んでいるときは取り上げて歯や歯ぐきの状態を確認するようにしましょう。

また、噛んだり砕いたりして破片を出していないかにも注意をしましょう。

注意事項5 | 遊び終わるたびに摩耗箇所がないかチェックする

遊び終わるたびに摩耗度をチェックするようにしましょう。

ひびが入りそうになっていないか、割れそうになっていないか、そして、端が鋭くなっていないかなどをチェックします。

そして、危ない箇所があったら破棄する必要があります。

また、犬が丸のみできるくらい小さくなったら破棄し、新しいものと交換する必要があります。

注意事項6 | 沸騰したお湯にいれると割れやすくなる

鹿の角は沸騰したお湯で煮ると割れやすくなり破片がでやすくなります。

これは調理した骨がバラバラに割れやすくなり破片がでやすくなるのと同じことです。

実際にアメリカの獣医師さんたちは鹿の角を沸騰したお湯で煮ないよう提唱しています。

そのため、煮沸消毒しようとか、やわらかくしようとしたりして沸騰したお湯で煮るのはやめましょう。

参考: Antlers for dogs: Are they safe and vet recommended? | PetsRadar

下痢の原因

鹿の角はあげ過ぎなどが原因で下痢などのトラブルを引き起こします。

ここではなぜ下痢になるのかをお伝えいたします。

原因1 | 高タンパク質のためあげすぎると下痢になる

鹿の角はタンパク質が豊富です。

そのためあげすぎると下痢を引き起こす可能性があります。

タンパク質が下痢を引き起こすって少し不思議ですよね。

そこでタンパク質の過剰摂取が下痢を引き起こす原因を調べてみました。

一度に摂取できるタンパク質量には限界があります。余分なタンパク質は「悪玉菌」の格好のエサとなり、タンパク質を腐敗させます。そして有害物質(ガスや発がん性物質)を発生させ腸内環境が乱れてしまうのです。これらにより便秘や下痢、腹部膨満感など胃腸にまつわるトラブルを起こしやすくなってしまいます。

引用:プロテインを飲んで腹痛や胃痛が起こる原因と対策 | プロテインの読もの

余分なタンパク質は悪玉菌のエサになり、ガスを発生させるだけでなく発がん性物質まで発生させます。

そして悪玉菌の影響により腸内環境が乱れ下痢が起こりやすくなります。

鹿の角による下痢を防ぐために、1日に1cm以上食べさせることは避けましょう。

1日1cm以上食べさせるとおなかを壊し下痢や胃もたれを引き起こす可能性があります。

特に子犬 (生後6ヶ月以内) に高タンパクである鹿の角を与えると下痢を引き起こします。

そのため子犬には鹿の角をあたえないようにしましょう。

参考: Are Antlers Safe for Dogs to Chew? | Best Bully Sticks
参考: Can Antler Bones Make Dogs Sick? | Pet Expertise

原因2 | きちんと消毒されていないものを与えると下痢になる

市販されている鹿の角は通常きちんと殺菌消毒されているため心配は少ないです。

ですが購入するさいはしっかり殺菌消毒されているか確認するようにしましょう。

落ちていた鹿の角を拾ったりハンターさんからもらったりした場合は殺菌されていないので、いろんな細菌がついています。

そのためきちんと殺菌消毒してから与える必要があります。

鹿の角を消毒する方法

自分で殺菌消毒する場合は、下記のような方法が海外のサイトで紹介されていました。

鹿の角を殺菌消毒する方法

方法1: 野菜をゆがくように沸騰したお湯に1~2分くぐらせる

方法2: 沸騰しない程度の熱湯で30分以上煮る

参考: How to Sterilize Deer Antlers For Dog Chews | Dogdorable

下痢や嘔吐がひどい場合

下痢や嘔吐がひどく食欲もなく元気がない場合は、鹿の角が消化管に詰まってしまったなどのことも考えられます。

そのような場合はすぐに動物病院で診察を受けましょう。

鹿の角をやわらかくするにはどうすればよいの?

鹿の角はとても硬いのでもう少しやわらかくできたらいいですよね。

そこで調べたところ、犬用の鹿の角をやわらかくする方法を紹介しているサイト(WE LOVE DOODLES)を発見しました。

方法はとても簡単で、鹿の角を水に1~2日つけるだけです。

この時、水の代わりに犬に害となる成分が入っていないだし汁を使用すると、角にフレイバーが移るのでよいとも紹介されていました。かしこい方法ですね。

鶏肉を湯がいたあとの出汁を使用すると良いかもしれません。

やわらかくする詳しい方法は下記の通りです。

step
1
鹿の角全体が入る大きな鍋を用意します。

step
2
鍋にきれいな水をたっぷり注ぎます。(鶏肉や牛肉のだし汁を使用してもよいです。)

step
3
鹿の角を鍋に入れます。全体がしっかりと水の中につかっているか確認します。


step
4
そのまま1~2日漬け込みます。漬け込む時間は犬の噛む強さにより調節しましょう。

参考にしたサイトでは通常24時間漬け込んでいます。
鹿の角をやわらかくしすぎるとバラバラに割れやすくなるため、やわらかくしすぎないよう注意する必要があります。

step
5
鹿の角を水から出し風通しの良い場所で乾燥させます。


step
6
乾燥したら犬に与えます。

まとめ

鹿の角の外側は非常に硬いですが、内側の髄は外側よりやわらかく、味もよく消化も良いです。

そのため、鹿の角を与えるさいは半割りのものを与えると良いです。

半割りならば、すぐに髄の部分を楽しむことができます。

ですが、半割りでも集中して噛む子にはあまりおすすめできません。

集中して噛むと歯が欠ける恐れが高まりますし、また破片もでやすくなります。

そんなに集中して噛むことがない子なら与えても大丈夫かもしれませんが、それでも注意が必要です。

下記の記事ではその他のおすすめの硬いおもちゃをお伝えしていますので合わせてご参考ください。

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