散歩中にリードを落としてしまったり、首輪が抜けてあわててしまったことってありませんか?
そんなときでも「おいで」を教えておけば、あわてることなく冷静に対処し犬を呼び戻すことができます。
「おいで」は起こりうる緊急事態のときに非常に役立つコマンドです。
そして、「おすわり」や「伏せ」と同様に基本のしつけです。
「おいで」のしつけは、呼ばれて飼い主さんのもとに戻ると、今楽しいと思っていることよりも、もっと楽しいことがあると思わせることでしつけていきます。
この記事では「おいで」を簡単に教える方法、そして来なくなる理由も解説していきます。
この記事を読めばいつでも「おいで」で戻ってくるようにできますのでぜひ参考にしてくださいね。
犬に「おいで」「カム」を教えるメリット
外は犬にとって楽しいことがいっぱいです。
そのためちょっとしたアクシデントにより外で放してしまうと、犬はまわりの危険をかえりみずに意気揚々と走り回り、飼い主さんからあっという間に離れていってしまいます。
また、犬は追いかけると遊んでもらっていると思い逃げる習性があります。
飼い主さんはすぐにつかまえないと車のほうに飛び出したりしたら危険!とか、見失って迷子になったら大変!とか、いろんなことを思ってあせっているのに、犬はどんどん離れていってしまいます。
そんなとき「おいで」のコマンドを教えておけば、あわてることなくすぐに犬を呼び戻すことができます。
例えば散歩中に首輪が抜けてしまったときでも、「おいで」を教えておけば、あわてて追いかける必要はありません。
脱走してしまったときでも、見つけしだいすぐに呼び戻すことができます。
また、歩道からいきなり道路に飛び出してしまったときでもすぐに呼び戻すことができるので安心です。
このように、「おいで」を教えておけば危険な状況下で冷静に対応して危険を回避することができます。
🐾犬に「おいで」「カム」を教えるメリット
- 首輪が抜けてしまったときすぐ呼び戻すことができる
- 脱走したとき見つけたらすぐに呼び戻すことができる。
- 犬をつかまえるため追いかける必要がなくなる。
- いきなり道路に飛び出してしまったときにすぐに呼び戻すことができる。
- いろんな危険な場面で冷静に対応し、危険な回避することができる。
「おいで」を教える前の準備
「おいで」を教えるために準備すべきことをお伝えします。
コマンドを決めます(「おいで」や「カム」など)
常に同じ言葉やコマンドを使用しなければ、犬は混乱してしまい、何を命令しているのか分からなくなってしまいます。
そのため、決めた言葉やコマンドは、家族全員が一貫して同じものを使用するようにしましょう。
しつけで与えるフードやおもちゃを準備します。
「おいで」のしつけでは、飼い主さんのもとに戻ったら楽しいことがあると思わせることが必要です。
そのため、しつけではごほうびに犬の大好きなおやつなどを使用します。
おもちゃが大好きな犬ならおもちゃで犬の気を引いて、戻ってきたら思いっきりおもちゃで遊んであげることも犬にとってはごほうびになります。
おやつは与えすぎを防ぐために下記のように小粒状のものや、簡単に小分けにできるように手で切れやすいものがよいです。
小分けする場合はトレーニング前に小さくちぎっておきましょう。
「おいで」を教える方法
「おいで」のしつけでは、「おいで」のコマンドで飼い主さんのもとに戻ると、今楽しいと思っていることよりももっと楽しいことがあるということを犬に覚えさせることがポイントとなります。
例えば気になる臭いや通り過ぎる犬など他のものに気を取られていても、「おいで」のコマンドで戻ればもっと楽しいことがあると犬に覚えさせます。
こんな風に言葉でいうと教えるのはちょっと難しそうと思うかもしれません。
ですが、心配いりません。
ここで紹介する方法でしつければ簡単に「おいで」をしつけていくことができます。
簡単といっても5分、10分ですぐしつけることができるということは期待しないでくださいね。
なにごとも少しずつ段階を踏んで覚えさせていくことが大切です。
「おいで」を教える方法
新しいしつけを教えるさいは室内で始めることをおすすめします。
それは、周りに犬の気を引くものが少ないほうが飼い主さんに集中しやすくなり教えやすくなるためです。
そして慣れてきたら少しずつ誘惑をくわえていきます。
🐾「おいで」にしたがうとごほうびがあることを教えよう
最初は「おいで」のコマンドにしたがうと楽しいことがあるということを犬に教えます。
そのためここでは「おいで」のコマンドにしたがってついてくると、ごほうびがもらえるということを犬に教えていきます。
step
1手にフードを持ち犬の前に立ちます。
step
2犬の鼻にフードをかざします。
Best way to teach a puppy to come when called (K9-1.com)
step
3犬の名前を呼び「おいで」のコマンドをいいます。
step
4すぐにそのまま数歩うしろにさがります。
最初は2、3歩下がるだけでよいです。
「おいで」のコマンドをいったらすぐにうしろ下がります。そうすることで「おいで」のコマンドにすぐにしたがうようにしていくことができます。
最初は犬の鼻の前におやつをかざしたまま下がるようにしましょう。
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step
5犬がついてきたら「いい子!」などほめる言葉をいいます。
💡犬が飼い主さんのあとをついてきたらすぐに「いい子!」などほめる言葉をいい、犬が来るように励まします。
「いい子」などでほめることで、犬にその行動が正しいと教えることができ励ますことができます。
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step
6下がったあとはすぐにフードを与えます。
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step
7Step 2~6を数回おこないます。
犬が慣れてきたらフードを持つ手を犬の鼻の前にかざす必要はありません。
下がる歩数も少しずつ多くしていきましょう。
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なかなか来ないからといって声のトーンがこわくならないよう注意しましょう。
常に楽しげな声で「おいで」のコマンドをいうことも大切です。
🦮飼い主さんのもとに戻ることは楽しいと教えよう
このトレーニングでは誘惑に打ち勝って飼い主さんのもとに戻るともっと楽しいことがあるということを犬に教えていきます。
step
1犬をリードにつなぎます。
step
2リードを少し短く持ちます。
step
3犬にフードをみせます。
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step
4フードを床に投げます。
投げる距離は少し短くして持っているリードの長さより長い距離に投げます。
フードを投げたことに気づかない場合は、投げたとわかるようにもっと大げさに投げてみましょう。
step
5犬がフードに向かったらリードを軽く引っ張りおやつに届かないようにします。
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step
6犬の名前を呼び「おいで」のコマンドをいいます。
step
7犬が飼い主さんのほうを振り返ったらすぐにほめ来るように励まします。
犬が誘惑に打ち勝ち飼い主さんのほうを振り返ったらすぐに「いい子」など犬を励ます言葉をいい犬が来るように励まします。
「いい子」などでほめることで、犬にその行動が正しいと教えることができ励ますことができます。
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step
8犬が飼い主さんのもとに戻ったらすぐに大いにほめフードを与えます。
step
9最初に投げたおやつの場所に犬をつれていき食べさせてあげます。
これにより飼い主さんのコマンドにしたがったら、犬は自分の欲しいものを得ることができると学ばせていくことができます。
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step
103~9を繰り返しおこないます。
繰り返しおこなうことにより次第に早く飼い主さんのもとに戻るようになります。
ここまでご紹介した内容は下記の動画で詳しく見ることができます。
英語ですがイメージをつかむことができると思いますのでぜひご参考ください。
🌲外でのトレーニングを開始する
室内で誘惑がある状況でのトレーニングが成功したら、次は庭や静かな公園など外の静かな環境でトレーニングをおこないましょう。
公園でおこなう場合はロングリードを使用します。
外の静かな環境でもできるようになったら、途中に誘惑 (犬の気を紛らわすもの) を少しずつ加えていきます。
誘惑の例
- 途中に犬の好きなおもちゃを置く。
- 途中で他の人が手をたたく。
- 途中で他の人が犬の名を呼ぶ。
- 途中に他の犬がいる。
「おいで」を1回マスターしたけど来なくなるのはなぜ?
「おいで」を1回マスターしたけれども来なくなってしまったという話しをよく耳にします。
そのためここでは来なくなる原因と、「おいで」のコマンドで戻ってくることを犬に維持させるためのポイントをご紹介いたします。
来なくなるのはなぜ? | 嫌なことがあるときには使用しない
「おいで」のコマンドでは、呼ばれて飼い主さんのもとに戻ると常に楽しいことがあると思わせ続けることが必要です。
そのため、呼んだあとに犬が楽しくないと思うことやイヤだと思うことをしてはいけません。
例えば、ドッグランで犬が楽しく遊んでいるとき、「おいで」で犬を呼びリードをつけて帰るなどしないようにしましょう。
楽しく遊んでいるときに「おいで」で呼び戻し楽しい時間をおしまいにしてしまうと、「おいで」は楽しい時間のおしまいのサインだと思ってしまうようになります。
ドッグランなどで「おいで」で犬を呼び戻したあとは、ごほうびを与えて犬が呼び戻す前にしていた状態に戻してあげるようにしましょう。
その他にも、「おいで」で呼んだあとに犬がいやがること、たとえばシャンプーをする、歯みがきをするなども同様に「おいで」に対してネガティブなイメージを植え付けてしまう原因となります。
ネガティブなイメージを持たせることを続けてしまうと、犬はコマンドにしたがわなくなってしまいます。
そのため、「おいで」は犬がイヤだと思うようなことをするときに使用するのは避けましょう。
「おいで」を使用してはいけないときの例
- ドッグランから帰るために呼び戻すとき
- シャンプーをするとき
- 歯みがきをするとき
- 爪を切るとき
- お薬を与えるとき
- 叱るとき
「おいで」で戻ってくることを維持するためのポイント
「おいで」のしつけをマスターしたあとも、「おいで」のコマンドで犬を呼んだときは常にごほうびを与えることを忘れないようにしましょう。
特に、他の誘惑に気を取られていたにも関わらず、「おいで」のコマンドで飼い主さんのもとに戻ってきたときなどは、十分なごほうびを与えてあげましょう。
ごほうびは常におやつである必要はありません。飼い主さんが大いにほめてあげることもごほうびになります。
また、「おいで」のコマンドは飼い主さんのもとに戻ったあとに楽しいことがある場面で、日常的に犬を呼ぶときに意識して使うようにするとよいです。
たとえば、散歩に行くとき、ご飯をあげるとき、おもちゃで遊ぶのに呼ぶときなどに「おいで」を使用して犬を呼ぶようにするとよいです。
そうすることで、「おいで」のコマンドで戻ったら常に楽しいことがあるというイメージを持たせ続けることができます。
まとめ
「おいで」のコマンドで呼んだあとは常に楽しいことがあるということを犬に覚えさせることが、このしつけのポイントとなります。
どんなしつけにもいえることですが、新しいしつけを覚えさせるときは粘り強く続けることが必要です。
どんな状況でも来るようにするまでには時間がかかる場合もあるかもしれません。
それでもあきらめないで信じてしつけをおこなうことが必要ですので頑張ってくださいね。