犬をクレートに入れておいて大丈夫な時間は、十分な運動と散歩をしてあげていれば最大で8時間といわれています。
ですが4時間ごとに外に出し、散歩などの気分転換をさせるべきだという意見もあります。
そのため、犬を家でお留守番させる時間が長い場合は、サークルやフェンスを使用してワンちゃんの部屋を設置してあげることをおススメいたします。
クレートにはクレートの利点がありますが、クレートだけではストレスを抱える場面も、上手にサークルを設置して併用すれば飼い主さんもワンちゃんも大きなメリットを得ることができます。
この記事では犬の部屋の利点やエリア内に用意すべきもの、犬の部屋を嫌がる子へのトレーニング方法を紹介していきますのでぜひ参考にしてくださいね。
1. 犬の部屋を設置するメリット
ワンちゃん用の広いエリアを確保して犬の部屋を用意してあげることはさまざまなメリットがあります。
メリット1 | 子犬期の飼育が楽になる
子犬を家の中でフリーにするときは、常にそばで監視することが大切です。
子犬は興味のあるものは何でも噛むため、危険なもの (コードなど) を噛んだり、誤飲したりする可能性があります。
またトイレトレーニングもまだできていないため、家中で排泄してしまう可能性もあります。
ですがそばで見ていられない時もありますよね。
そのようなときも犬の部屋 (広めのサークル) に入れておけば安心です。
犬の部屋に噛まれて困るものを置かないようにすることで誤飲の心配を防げます。
そしてペットシーツを敷きつめておくことで排泄の心配も防げます。
生後8週目の子犬でもサークル内での自分の排泄の場所の好みを示し、同じ場所でするようになる可能性が高いです。
同じ場所でトイレをするようになったら、排泄しない場所のペットシーツは外しましょう。
そしてその場所をトイレに設定すればトイレトレーニングをしないで済みます。
子犬のトイレのタイミングを知ろう
子犬期はいろんな刺激を与えてあげることで成長がうながされます。
特に、何事にも順応しやすい子犬期にいろいろな経験をさせてあげることにより、臆病でない社交的な犬になります。
そのため飼い主さんが子犬のそばにいてあげることができるときは、できるだけ犬の部屋から出してあげましょう。
でも、排泄の心配もありますよね。
そこで、子犬のトイレのタイミングを知っていると、いつ外に出しても大丈夫かということがわかるので役立ちます。
下記の記事 (犬のトイレトレーニング) の第5段落、「トイレタイムの目星をつけよう」では、子犬が排泄をする時間や、排泄前の動作などを説明しています。
子犬のトイレタイムを予測することで、家の中でいつフリーにしてよいかがわかるので合わせてご参考ください。
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また、新しい環境にきたばかりの犬は慣れない環境で夜1人にされると不安や寂しさを感じて、鳴いたり吠えたりすることがあります。
そのため子犬が新しい環境に慣れるまでは、飼い主さんが子犬のいる部屋で寝るようにすることをおすすめいたします。
あるいは飼い主さんの寝室にサークルごと移動してあげるのでもよいです。
移動するのは少し大変かもしれませんが、夜鳴きがひどいような場合は試してみてください。
夜鳴き対策はこの記事内の第7段落「サークル(犬の部屋)で夜間に鳴き始めた場合は? | 夜鳴き対策方法」でご紹介していますのでぜひご参考ください。
😸子犬期に犬の部屋を使用するメリット
- 誤飲やいたずらを防ぐことができる
- トイレトレーニングがまだできていなくても安心
- そばで見ていられないときも安心
メリット2 | お留守番時も安心
クレートやケージで犬をお留守番させるのも、家の中でフリーにしてお留守番させるのも、それぞれデメリットがあります。
ですが、犬の部屋でお留守番させれば、両方のデメリットをなくすことができます。
例えば、クレートやケージに入れてお留守番させると、下記のようなデメリットがあります。
- 長時間動けない状態なのでストレスがたまりやすい
- トイレを我慢してしまう
犬は自分の寝床ではトイレを我慢する習性があるため、クレートやケージ内ではトイレを我慢します。
トイレを我慢させ続けると、膀胱炎や尿失禁などの尿トラブルを抱えてしまう心配もあります。
ですが、お留守番時に犬を家の中でフリーにするのも下記のようなデメリットがあります。
- 家具を噛んだり、小さなもの (ヘアピンなど) を誤飲したりする心配がある
犬の部屋でお留守番させれば、このようなデメリットをなくすことができます。
😸お留守番時に犬の部屋を使用するメリット
- 自由に動けるためストレスがたまるのを防ぐ
- 遊ぶスペースがあるので健康的
- トイレを我慢させなくてもよい
- 家具などが噛まれるのを防ぐ
- 誤飲を防ぐ
メリット3 | 突然の来客時も安心
突然の来客にワンちゃんが喜んで興奮して飛びかかったり、あるいは警戒して吠えたりということがあります。
そんなときにワンちゃんをクレートやケージに閉じ込めると罰の意味が強くなり、クレートやケージへのマイナスイメージが強まる場合があります。
ですが、犬の部屋に知育おもちゃなどと一緒に入れてあげれば、遊びたいのに閉じ込められたとか、吠えたために閉じ込められたというマイナスイメージを与えることなく、遊ばせておくことができます。
😸突然の来客時に犬の部屋を使用するメリット
- 突然の来客時でもワンちゃんを楽しく1人で遊ばせておくことができる
メリット4 | 老犬時の管理がしやすくなる
老犬になると膀胱の筋肉も弱ってくるため、排泄を我慢できずに失禁するようになることがあります。
このような場合でも、ペット―シーツを敷きつめた犬の部屋に入れておけば安心です。
クレートに慣れていない犬でも犬の部屋なら安心していれておくことができるので外出もしやすくなり、飼い主さんの負担を減らすことができます。
😸老犬時に犬の部屋を使用するメリット
- 老犬になり失禁するようになっても犬の部屋に入れておけば飼い主さんの負担を減らすことができる
メリット5 | 家族がご飯の時に1人で遊ばせておける
家族がご飯を食べているとき、ワンちゃんが食卓にきてご飯を欲しがることってよくありますよね。
だけど人間のご飯は犬には味が濃く病気のもととなるため、かわいそうだけど我慢させるしかなく心苦しい思いをしなければなりません。
そこでおススメしたいのが、人間がご飯を食べているときは、犬の部屋に知育おもちゃを入れて遊ばせておくということです。
下記に、家族がご飯の時に犬を1人で遊ばせておく方法をお伝えいたしますので、ご飯時に犬が人間のご飯を欲しがってきて困っているという方はぜひ試してみてください。
家族がご飯の時に1人で遊ばせておく方法
家族がご飯を食べ始めるときにワンちゃんにいつものご飯をあげます。
- ワンちゃんが食べ終わったら犬の部屋に知育おもちゃを入れて遊ばせておきます。
この方法をおこなえば飼い主さんも心苦しい思いをすることなく安心してご飯を食べることができます。
飼い主さんもワンちゃんもハッピーになれる方法です。
😸ご飯時に犬の部屋に入れておくメリット
- 知育おもちゃで遊ばせておけば、人間の食事を欲しがるワンちゃんを我慢させることなく遊ばせておくことができる。
2. 犬の部屋はどこに設置すべき?
犬の部屋は床などの掃除しやすい場所に設置するのがよいです。
また、感電の可能性があるコンセントや、かじられて困る家具などがない場所を選びましょう。
夏場は直射日光を避けることができ、冬場は日向ぼっこができる場所が理想的です。
窓辺の場合はカーテンやブラインドなどで調整できるようにしましょう。
犬の部屋を設置する場所
- 床などの掃除がしやすい場所
- 誤飲の心配がない場所
- かじられて困る家具などがない場所
- 夏場は直射日光を避ける
- 冬場は日向ぼっこができる
3. 犬の部屋はどのように設置できるの?
犬の部屋は下記のような広めのペットサークルやペットゲートを使用して設置することができます。
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4. 犬の部屋に必要な物
犬の部屋の外枠が準備できたら次は部屋内に必要なものを用意しましょう。
部屋内には下記の5つが必要です。
犬の部屋内に必要なもの
- 寝床 (ベットやクレート)
- トイレ (ペットシート等)
- お水
- おもちゃや知育おもちゃ
- 遊ぶ場所
犬の部屋に必要なもの1 | 寝床 (ベットやクレート)
寝床はできるだけトイレから離れた場所に置きましょう。
クレートを使用する場合は、ワンちゃんが自由に出入りできるようにクレートのドアは開けておきます。
犬の部屋に必要なもの2 | トイレ (ペットシート等)
犬は自分の寝床から離れたところで排泄をする習性があります。
そのためトイレはできるだけ寝床から離れた場所に設置しましょう。
また排泄済みのトイレシートを踏んでしまうことを避けるためにも、シートは隅のほうに置くことが望ましいです。
寝床の近くや犬の部屋の入り口付近は踏む可能性が高くなるため避けましょう。
ペットシートを噛んでしまうワンちゃんには、メッシュカバー付きのトイレトレーを使用しましょう。
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犬の部屋に必要なもの3 | お水
ワンちゃんがいつでも水を飲めるようにサークル内に水を用意することを忘れないようにしましょう。
遊んで水入れをひっくり返してしまうことを防止するために、食器台を利用することもおススメです。
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下記の商品はサークルの柵に吊るしておけるので、床を走り回っても安心です。
犬の部屋に必要なもの4 | おもちゃや知育おもちゃ
ワンちゃんが遊ぶおもちゃを用意してあげましょう。
おやつ等を入れた知育おもちゃは犬の部屋に対して良いイメージを与えることができます。
また長い時間遊ぶことができるので1人にさせておくときのストレス解消にもなります。
下記の記事では知育おもちゃの効果やおすすめの知育おもちゃをご紹介していますのでぜひご参考ください。
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犬の部屋に必要なもの5 | 遊ぶスペース
犬の部屋にはワンちゃんが自由に動けるエリアを確保しましょう。
知育おもちゃ等で遊ぶときに十分なスペースがあるのが理想的です。
5. 犬の部屋に慣らすトレーニングの方法
トレーニングではいかに犬の部屋に対して良いイメージを与えるかがポイントです。
良いイメージを与えるために、トレーニングでは知育おもちゃを使用します。
ネガティブなイメージを与えないために、犬が鳴きだした場合は我慢させることはしないようにしましょう。
🍖犬の部屋に慣らすトレーニングの方法
- ワンちゃんを犬の部屋に入れ、「コング」などの犬用知育おもちゃを与えます。
- その場を去りワンちゃんを1人にします。
- 最初はワンちゃんがおもちゃに飽きる前に戻り犬の部屋から出します。
(おもちゃはそのまま犬の部屋内に残しておくようにします。) - 1~3のプロセスを毎日2,3回おこないます。
このとき、ワンちゃんを1人にする時間を少しずつ延長していきます。
もしワンちゃんが鳴きだした場合は、延長する時間が長すぎたのかもしれません。
次は延長時間を少し短くしておこなうようにします。
犬の部屋に対して良いイメージを与えるために、知育おもちゃを与えるときは常に犬の部屋内で与えることもおススメです。
5-1. サークル (犬の部屋) に入るのを嫌がったり激しく鳴く場合は?
過去にサークルに長いこと閉じ込められていたりした場合、サークルに対してイヤなイメージを持っているためサークルの中に入るのを嫌がったり、激しく鳴いたりする場合があります。
このような場合は、まずはサークルに慣れさせることから始める必要があります。
ここではサークルを嫌がるワンちゃんにサークルに慣れてもらうことから始めて、お留守番できるようになるまでの方法をお伝えいたします。
サークルトレーニング・ステップ1 | サークルに慣らす
この段階ではサークルのドアは開けっ放しにしておき、ワンちゃんがいつでもサークルに入れるようにしておきましょう。
最初はサークルのドアの近くでご飯をあげることから始めます。
- サークルのドアの近くでご飯をあげます。
- ご飯のたびにご飯の容器をサークルの奥へ入れていくようにします。
- サークルでご飯を食べることに慣れてきたら、食べている間だけドアを閉めます。
- ご飯のたびにドアを閉めている時間を2,3分ずつ延ばしていきます。
サークルトレーニング・ステップ2 | ご飯以外の時もサークルにいることに慣れさせる
ご飯のときにサークルにいることに慣れてきたらサークルトレーニング・ステップ2をおこないましょう。
- おやつやおもちゃで引くなどしてワンちゃんをサークルに入れます。
- サークルのそばに座り5~10分間そのままそばにいてあげます。
- 別の部屋へ行き2~3分間待ちます。
- サークルの近くに戻り、少しの間座ったままそばにいてあげます。
- サークルのドアを開けワンちゃんを出してあげます。
この工程を1日に数回くりかえします。
少しずつサークルに入れておく時間と、別の部屋に行く時間 (ワンちゃんが飼い主さんのことを見えない状態の時間) を長くしていきます。
ワンちゃんが飼い主さんのことを見えない状態で約30分間サークルの中に静かにいれるようになることを目指しましょう。
サークルトレーニング・ステップ3A | サークルでお留守番できるようにする
恐怖や不安を示すことなく約30分間サークルの中にいることができたら、サークルに入れてお留守番させる訓練を始めましょう。
- ワンちゃんをサークルに入れます。
- 「コング」などの犬用知育おもちゃをサークルに入れます。
- 最初は1時間弱程度の短い時間から始めて、少しずつ時間を長くしていきます。
6. 犬の部屋で長時間お留守番させるときのポイント
犬の部屋で長時間お留守番させるときは、入れる前に20分~30分くらいお散歩に行ってから入れることをおススメいたします。
そして、飼い主さんが外出するときに知育おもちゃを与えてあげましょう。
十分に遊んだあとは疲れて寝る可能性が高くなります。
このようにして犬のひまな時間を減らすことは、ストレスを防ぎ、問題行動を抑えることにもつながります。
😸犬の部屋で長時間お留守番させるときのポイント
- 犬の部屋に入れる前に20分~30分お散歩をする
- 外出時に知育おもちゃを与える
外出時と帰宅時のポイント
外出するさいに罪悪感を感じたり、心配しすぎたりするとワンちゃんも不安になってしまいます。
そのため外出するときはいつもと同じように平常心ででかけましょう。
そうすることでワンちゃんに飼い主さんが家にいてもいなくても、たいした違いはないということを教えることができます。
また、家に戻った時も平常心を保つようにしましょう。
「ただいま」の声をかけたり、きちんとお留守番できたことをほめてあげるのは良いことです。
しかし、大げさに喜んでほめることは避けましょう。
大げさにほめてあげたりすると、ワンちゃんは飼い主さんの帰りを待つようになり、寂しくて吠えたりする行動へとつながる可能性があります。
参考:Cesar Millan's Best Tips for Puppy Play Pen Training | Pet Crates Direct
7. サークル(犬の部屋)で夜間に鳴き始めた場合は? | 夜鳴き対策方法
夜間にサークル内で鳴き始めた場合は寂しくて鳴いている可能性が高いです。
寂しくて鳴いているのに無視を続けてしまうと、犬はストレスを感じサークル嫌いになってしまう可能性があります。
そして閉じ込められることにストレスを感じてしまうと、サークルを壊そうとして暴れるなどの問題行動を起こす可能性もあります。
また鳴いているのを怒って黙らせたときも、結局は犬にストレスを与えることになってしまいサークル嫌いになってしまう可能性があります。
そのため夜鳴きを始めた場合は無視をせずに下記の方法でワンちゃんを安心させてあげましょう。
😿サークルで鳴き始めた場合の対処法
step
1とりあえず1,2分待ち、すぐに鳴きやむか様子をみます。
step
2鳴きやまない場合はサークルの外からワンちゃんの近くに座り、しばらくそばにいてあげます。
このとき「鳴くこと=サークルから出れる」というイメージを与えないため、できるだけワンちゃんをサークルから出すことは避けるようにしてください。
また、できるだけ話しかけることもしないようにしましょう。
話しかけることは犬にとってごほうびとなってしまい夜鳴きを促進してしまう可能性があります。
step
3静かになったらほめてあげます。
step
4静かになったらすぐにその場を去るのではなく、少しの時間去り、また戻り、また去るというように少しずつ去るようにします。
夜鳴き対策として下記のアイテム「Snuggle Puppy」もおすすめです。
Snuggle Puppy は犬のぬいぐるみに心臓の音をまねるバイブレーターと、あたたかいぬくもりを再現するヒートパックがついています。
子犬のそばにおいてあげることで、子犬は母犬や兄弟犬がそばにいるように思えるので安心します。
すでにアメリカで高い評価を得ている商品で、一流のドックトレーナーさんたちも夜鳴き対策としてすすめています。
附属のヒートパックは1回きりの使い切りですが、市販のカイロミニで代用することができます。
8. まとめ
できればお留守番時は家の中でフリーにしてあげたいものですがいろいろと心配事もあります。
そんなとき犬の部屋があれば安心して長時間お留守番させることができます。
いろいろとトレーニングがあり大変ですが、決して焦ることはせずに、ワンちゃんのペースに合わせてゆっくりと進めてください。
トレーニングをしている期間は長く思えても、ワンちゃんと一緒にこれから過ごせる一生を考えると短いものです。
トレーニングをしっかりおこない、ワンちゃんとの快適ライフを満喫してくださいね。
参考:
Puppy Zone: How to Set Up a Long–Term Confinement Area | Preventive Vet
Long Term Confinement Area For Puppies By Urban Dog Training